巻頭言
流儀を知り「対応力」を身に付ける
篠山 潤一
1
1社会福祉法人兵庫県社会福祉事業団総合リハビリテーションセンター
pp.4-5
発行日 2018年1月15日
Published Date 2018/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5003200770
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2035年を見据えた「保健医療2035」提言書(2015年)の中で,高齢者,障がい者,生活困窮者などのあらゆる人々が,コミュニティで共生できる地域包括ケアシステムを進め,誰もが支え支えられる関係をイメージできる図が示されました。これは,私が「地域リハ」に携わるにあたり,目指してきたそのものでした。現在,少子高齢化や生産年齢人口(働き手)の減少という問題を抱えている日本において,人材の確保は大きな課題の一つです。また,さらに効果的・効率的なサービス提供の必要性が増す中で,医療・介護・福祉分野でのニーズが変動してくることも見込まれます。この提言を受け,今後の目指すべき方向性が明確に示されたと感じたのは,私だけではないと思います。
「ソーシャルインクルージョン」「地域共生社会」という言葉は,地域におけるリハ(全人間的復権)に携わる者の中では,これまでも当たり前のように用いられてきましたが,今では,国会における質疑や予算委員会,政策などに盛り込まれる時代が到来しているのです。これは,一般化されつつあるということです。サービス提供は,病院や施設で行う仕組み(多数派)であったものが,地域の中で行われる仕組み(少数派)が,常識となり当たり前になってきたということです。その中で,地域包括ケアシステムの推進を考えるうえで,リハ専門職などの活用が期待されています。
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