連載 高次脳機能障害児を地域で育む—高次脳機能障害児のすこやかな未来づくりを願って・第3回
ライフステージに合わせた課題と支援について—③小児の高次脳機能障害の症状
太田 令子
1
,
畠山 恵美子
2
,
高橋 由美子
3
1千葉県千葉リハビリテーションセンター
2ハイリハジュニア
3アトムの会
pp.236-241
発行日 2017年3月15日
Published Date 2017/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5003200571
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はじめに
行政的区分としての高次脳機能障害の場合,記憶障害・注意障害・遂行機能障害などの認知機能活動の統合的な役割を果たす機能や感情コントロールの低下・対人拙劣・意欲や発動性の低下など社会的行動に関する障害などが挙げられます1)。しかし,手足のマヒや失語など身体障害に分類される障害も有している人たちが多く,こうした障害と認知機能の障害が重なることで,一層社会生活を送るうえで生活のしづらさが拡大していることも事実です。
この回では,上記の問題を視野に入れつつ,筆者が所属する千葉リハビリテーションセンターが,支援普及事業時代に入った平成23年に全国の支援拠点機関の協力を得て実施した小児期発症の高次脳機能障害児者の実態調査1)をもとに,高次脳機能障害の主たる症状の保有について論じていきたいと思います。
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