連載 おもちゃが拓くリハビリテーションの世界・第8回
急性期リハにおけるおもちゃの力—絶望(hopeless)からの脱出
鷲田 孝保
1
1東京おもちゃ美術館
pp.150-155
発行日 2017年2月15日
Published Date 2017/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5003200550
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はじめに
脳血管障害等の発症が明らかな疾患では,急性期,回復期,生活期などのステージに分けて考えられるが,進行性神経疾患,認知症など,ステージに分けることがそぐわない疾患もある1)。ここでは,主に脳血管障害の急性期を中心に,おもちゃによる介入について提案,考察する。ただし,この時期は,全身状態が不安定なので,リスク管理を徹底することが肝要である。
おもちゃを用いた急性期への介入は,これまでほとんど関心を持たれてこなかった。自身に起きたあまりの変化に,この先どうなるのかと不安と絶望(hopeless)に打ちのめされている患者が,将来への可能性と生きる意欲を感じるためには,おもちゃは役立つかもしれない。急性期の患者の介入におもちゃを使ってきた多くの症例で,効果的な変化がみられた。ここでは症例を通して,その効果を報告し,今後の検討の資料としたい。
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