巻頭言
わかりやすさのすゝめ
山路 憲夫
1
1白梅学園大学子ども学部
pp.226-227
発行日 2016年4月15日
Published Date 2016/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5003200347
- 有料閲覧
- 文献概要
実践に裏づけられた専門家の話はわかりやすい。
三好正堂医師(福岡県浅木病院 理事長)は急性期リハとして早期からの「起立—着席訓練」を薦める。ひたすら「起立—着席」の繰り返しである。三好医師によると,リハ専門病院でのリハを受け,麻痺した箇所の回復がしなかった場合でも,「起立—着席訓練」を繰り返すことで,回復するケースが多いという。麻痺肢にだけ注意を払い過ぎた結果,麻痺が回復しないだけでなく,健側がだんだん弱くなってくる。そうならないためには,健側下肢を強くするために毎日2時間近くかけ,ひたすら「起立—着席」運動を400〜600回繰り返すことで,麻痺部分も回復してくる。悪いところではなく悪くないところを活用する。いわゆる残存能力の活用である。私が副会長を務めるNPO法人福祉フォーラム・ジャパンのセミナーでも三好医師をたびたび招き,話していただいた。めざましい治療実績に裏づけられたわかりやすさが人々を魅きつける。
Copyright © 2016, MIWA-SHOTEN Ltd., All rights reserved.