今月の言葉
学問のすゝめ
T生
pp.5
発行日 1957年6月1日
Published Date 1957/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611201277
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これは慶応大学の創立者で有名な福沢先生の書かれたものの中にある言葉ですが,私は助産婦の皆さんに今一度この言葉を味わつて頂きたいと思うのです.学問の世界は日進月歩の世の中で,ことに近頃の医学の進歩は,目覚ましいものです.通信交通機関の発達に伴なつて,新しい知識,技術が2〜3日間で世界の隅隅まで知られるようになりました.
この4月4日から東京で開かれたアジア産婦人科学会には,アジア地区のみならず世界各国から50名位の外人が東京に集りました.又来年カナダで開かれる世界産婦人科学会には日本からも数名の参加が予定されています.このように近頃はいろんな国々の学者との知識の交換も大変易しくなり,従つて医学に関係する人達は,一寸油断をしているとすぐ置いてきぼりを喰うようになりました.昔は学問の事は大学の先生方に委せておけばよかつたのですが,今では町の病院に勤めている医者も開業の先生方も絶えず新しい学問を追つかけている状態です.
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