特集 病院・施設での福祉用具供給システム
医療と介護の連携における福祉用具提供のあり方
北島 栄二
1
1長崎大学産学官連携戦略本部ハイブリッドセンター
pp.94-98
発行日 2016年2月15日
Published Date 2016/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5003200309
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はじめに
わが国はこれから急激に超高齢社会が進行し,2025年以降は団塊の世代の約800万人が75歳以上となり,後期高齢者の医療と介護の需要がさらに増加することが見込まれる。今後,その需要へいかに対応するかが重要な課題となっている。
厚生労働省は,2025年を目途に高齢者の尊厳の保持と自立生活の支援の目的のもとで,可能な限り住み慣れた地域で,自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるよう,地域の包括的な支援・サービス提供体制の構築を推進している。住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供できる地域包括ケアシステムの構築である。医療と介護の連携においても,必要なサービスを切れ目なく提供できる仕組みづくりが期待されている。
そのような社会背景の中,福祉用具提供についてはどのようなあり方が求められるのか。1つの試みではあるが,地域包括ケアシステムの具体的な内容の検討を進める地域包括ケア研究会の報告に触れ,地域包括ケア研究会の観点から福祉用具提供のあり方について考えてみたい。
そこで本稿では,まず地域包括ケア研究会の観点から,現状の福祉用具提供における課題を整理する。次に,これからの福祉用具提供のあり方を具体的にイメージするため,一般社団法人日本作業療法士協会(以下,OT協会)と一般社団法人日本福祉用具供給協会が行った調査研究事業を取り上げて略述する。
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