特集 高齢視覚障害者への地域支援
高齢者視覚障害の現状と知っておくべき視覚障害の知識
平塚 義宗
1
1順天堂大学医学部附属順天堂医院眼科
pp.778-782
発行日 2015年11月15日
Published Date 2015/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5003200243
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はじめに:視覚障害は高齢者の問題である
現在,世界の失明〔世界保健機関(WHO)の失明の定義は,通常の眼鏡やコンタクトレンズを装用した状態での良いほうの眼の視力が0.05未満〕者数は3,200万人であり,50歳以上がその8割を占める1)。また,日本においても全患者数に占める65歳以上患者の割合は全科52%,眼科64%であり,眼の病気をもつ患者は他の病気に比べて高齢者が多い。以上から視覚障害は主に高齢者の問題であると言える。今後日本はさらに急速に高齢化が進み,2030年には人口の3割が65歳以上になる。当然,眼の病気をもつ人の数も増加し,同年には現在よりも23%増加することが見込まれている2)。地域リハの対象者においても眼の病気をもつ患者が増加することは間違いなく,今後眼の病気に関する基本的な知識をもつことは業務上,非常に重要となる。
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