特集 眼の健康とQOL
視覚障害は公衆衛生問題である—日本における視覚障害・失明の現状と原因の変遷
平塚 義宗
1
,
小野 浩一
1
1順天堂大学大学院医学研究科眼科学教室
pp.364-371
発行日 2017年5月15日
Published Date 2017/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401208659
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はじめに
視覚障害が,個人や社会に与える負担は大きい.「外界から得る情報の8割は視覚から」というフレーズが幾度となく使用されるように,視覚障害はわれわれにとって大きな脅威である.視覚障害が個人や社会に及ぼしている負の影響は,他の全身疾患のように死亡者数や入院日数では測れない.視覚障害はそれを抱えて生きる人の慢性的なQOL(quality of life)の低下として顕在化する.また,転倒,交通事故,うつなどの危険因子でもあり,外出を減らし,失業率を上げ,社会的な生産性を低下させる.
視覚障害は公衆衛生問題である.
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