特集 認知症者の社会参加
かまくら散歩
稲田 秀樹
1
1一般社団法人かまくら認知症ネットワーク
pp.662-665
発行日 2015年9月15日
Published Date 2015/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5003200204
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はじめに
「かまくら散歩」は認知症の人や,その家族,専門職,市民が鎌倉市内の名所旧跡,公園,海岸などを散策しながら交流を深める活動である(図1)。さまざまな立場の人が認知症の人をサポートすることで,認知症の人の閉じこもりの防止と社会参加の促進を図り,加えて一般の市民や中高生には認知症の人との交流体験を通じて互いをわかり合う,周知・啓発と世代間交流の機会ともなっている。
この活動は一般社団法人かまくら認知症ネットワーク(以下,当法人)が主催し,年4回程度,市内の公園や植物園,海岸などをフィールドに活動している。実施に当たってはNPOや学校関係者との連携協働していることも特徴である。
例えば鎌倉中央公園という場所で行う際には,公園内の里山を維持する活動をしている「NPO法人山崎・谷戸の会」に公園内の案内や,おやつづくりの手伝いをお願いしている。また公園を管理している「公益社団法人鎌倉市公園協会」では,すべての職員の人が認知症サポーター養成講座を受講している。その他,学校では,鎌倉学園インターアクト部(ボランティア部)の中高生がほぼ毎回参加し,認知症高齢者や家族との交流を行っている。
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