連載 ご当地作業療法・第10回
ミニかまくらづくり
津軽谷 恵
1
Megumi Tsugaruya
1
1秋田大学
pp.148-149
発行日 2015年2月15日
Published Date 2015/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001200129
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はじめに
秋田県内では,夏のお盆を中心とする時期と冬の小正月(新暦1月15日,旧暦1月15日,あるいはひと月遅れ)を中心とする時期に,さまざまな行事や祭事が行われている.「かまくら」も秋田県の南部に位置する横手地域で毎年2月15日と16日に小正月の伝統行事として行われている.かまくらは直径約4m,高さ約3mの円柱型の雪山をつくり,中をくりぬいて雪室(ゆきむろ)にしたもので,奥には水神様が祭られている.雪室は大人や子どもが5〜6人ほど入れる広さで,中は意外に暖かい.子どもたちは,その中に火鉢を持ち込み,もちを焼いて食べたり,甘酒を飲んだり,「入ってたんせ(かまくらに入ってください)」,「おがんでたんせ(水神様を拝んでください)」と声をかけて,訪れた客をもちや甘酒でもてなす.辺りが暗くなってろうそくの火を灯すと,室内はパーッと明るくなり,外から見ると幻想的な風景である.また,ミニかまくらも道路わきや小学校の校庭を埋め尽くすほど多くつくられ,その中のろうそく一本一本に火が灯ると,さらに幻想的な世界に一変する.
今回は,本来の大きなかまくらづくりではないが,本学学生が授業の一環として,学生自身が企画をしてミニかまくらを制作した様子を紹介し,実際の作業療法での応用について考える.
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