わたしの一週間
日曜には主人と散歩
新堀 千恵子
1
1川崎市中央保健所
pp.55
発行日 1968年8月1日
Published Date 1968/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611203608
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〇月〇日(月) 降り続く雨の中をいつものように,駅に急ぐ.電車の中で呼吸を整え新聞を読む.ノイローゼの母親が育児に自信がなく自殺したとか,事故死の幼児の報に心を曇らせる.今日は町の母親クラブから衛生教育の依頼をうけている日である.受胎調節について講義に出向いた予定時間より15分も早いのに25,6人の母親は待ちかねていたように出迎える.今日の集いは出足が良い.講義が終了し映画受胎調節を上映し個人指導を行なう.熱心な母親達につい時間オーバー,急いで帰る.
〇月〇日(火)所内クリニックに追われ時計をみて驚く.終了時間である.そこえTEL相談したいから是非お願いしますとのこと.何事かと思いながら,連絡しケースに面接指導を開始してから約2年半,上手に避妊を続けており安心していた〇日〇さんである.去る4月より月経がなく妊娠したのではないかと不安げである.妊娠を続けるにも経済的,肉体的な困難が横たわっているケースでもあり,心が痛む.診察をうけたいが費用がないと訴えるため福祉事務所に連絡.OKの解答にほっとし帰路についた.
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