特集 進化する支援機器(福祉用具)
福祉用具・介護ロボットの開発および普及に向けた取り組み
五島 清国
1
1公益財団法人テクノエイド協会 企画部
pp.544-551
発行日 2015年8月15日
Published Date 2015/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5003200171
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はじめに
障害者の自立を支援する機器については,ノーマライゼーションの理念に基づき,障害者の活動と参加を促す観点から重要な役割を果たすものであり,障害者のニーズを的確にとらえた製品開発が求められている。
一方,高齢者介護の現場では,少子高齢化が進展する中,介護人材の確保や介護職員の腰痛,さらには認知症高齢者や高齢単独世帯の増加など,在宅・施設を問わず多くの課題がある。
こうした中,2013年6月,政府が掲げた「日本再興戦略」では,障害者や高齢者の自立を支援し,介護労働者の負担軽減を図ることができる実用性の高い介護ロボットの開発を加速させる「ロボット介護機器開発5カ年計画」を開始するとされた。さらに2015年1月,内閣府が取りまとめた「ロボット新戦略」においては,介護ロボットの技術革新に柔軟に対応するものとして,在宅介護の負担軽減にも迅速に対応できるよう介護保険制度の種目検討についても弾力化を図ることとされた。
本稿では,今後ますます研究開発が進められる「福祉用具・介護ロボット」の開発と普及に向けた取り組みの現状を記載する。
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