特集 住民のセルフ・ケア・クループ活動
私にとっての自立
茨城 YUKO
pp.904-905
発行日 1990年11月10日
Published Date 1990/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662900139
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私は心の病いを持っており,現在は回復途上にある者です。障害の軽重にもよりますが,私の考えは私一個人の考え方であって,障害者にもさまざまな考えがあるのをおことわりしておきます。私の場合,学生のときにあるレポートをまとめ終えた直後に体調を崩し,発病して8年目になりました。ですからその時から,もう文字を書いたり文章をある程度論理的にまとめることは自分には合わないと思い,離れていた方がいいのではないかと,うすうす感じていました。
もともと発病する以前の私はおとなしい面もありましたが,学校へ上がるようになってからは積極的で行動的で明るく朗らかなどこにでもいる平凡な人間でした。だから20歳を過ぎてから突然発病したとき,両親は非常に驚いたとともに,悲しみの中から障害を認めていかなければならないツラサは,口でいい表わせるものではありません。ある程度小さいときからそうであったなら諦めの準備もできますが,ある一定の期間普通の子として生きていた我が娘が,あるキッカケから精神の病ですなんて言われ,ハイそうですかなどとは信じられなかったと思います。そこが中途障害者の本人も家族も障害を受け入れるのに時間がかかるゆえんです。
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