特集 地域包括ケア時代の在宅医療・リハビリテーション
機能強化型在宅療養支援診療所—チームドクターファイブの挑戦
横林 文子
1
,
馬本 郁男
2
,
森本 英夫
3
,
斉ノ内 良平
4
,
梅山 信
5
1よこばやし医院
2馬本医院
3森本医院
4さいのうち医院
5梅山医院
pp.404-409
発行日 2015年6月15日
Published Date 2015/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5003200130
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
チームドクターファイブ(TDR5)の在宅医療について
京都府の乙訓地域では,15年以上前から多職種連携が培われており,2006年4月,在宅療養支援診療所制度開始とともに地域開業医師5名が集まってチームドクターファイブ(TDR5)という診診連携チームをつくった(図1)。24時間体制という縛りの中,在宅当番表を作成し,連携患者情報を交換・確認した。また,一人では対応不可能な重症患者さえ,複数主治医制(主主治医・副主治医)を取ることで,独断的な治療ではなく,複数医師で本人や家族とも相談しながらの在宅看取りを行うケースが増えた。9年間で情報共有した患者数は249名,うち死亡は156名,在宅看取りは98例で,うちがん患者は54例と約半数を占めていた。現在,在宅医療に関する調査で「自宅で療養したい」と希望する人が4割を超えた。在宅医療を提供する診療所の課題は,緊急時の入院・入所施設の確保,24時間体制に協力可能な医師の存在,24時間体制の訪問看護の存在である。
Copyright © 2015, MIWA-SHOTEN Ltd., All rights reserved.