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特集1 「日本老年看護学会第24回学術集会」
シンポジウム 多職種との対話から老年看護実践の可能性を探る
在宅療養支援診療所におけるIPW/IPEの取組み
Interprofessional Education by a Home Care Support Clinic: Tsuru-Cafe
鶴岡 浩樹
1
Koki Tsuruoka
1
1つるかめ診療所
1Tsurukame Clinic
pp.24-26
発行日 2020年1月31日
Published Date 2020/1/31
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- Abstract 文献概要
Ⅰ.はじめに
栃木県下野市は県南部に位置する農村地帯で,市内に自治医科大学附属病院を有し,医療と農業の町と称される.人口は6万人で高齢化率が24.3%と県内では比較的若い地域である.つるかめ診療所は,2007年に市内唯一の在宅療養支援診療所として開設し,看取りも含め24時間365日体制で在宅医療を展開している.
在宅医療においては,訪問看護師,ケアマネジャー,薬剤師,介護福祉士,ホームヘルパー,在宅医,歯科医師,ソーシャルワーカー,社会福祉士,理学療法士等,さまざまな専門職が関わり,多職種連携(interprofessional work;IPW)は必須である.施設や病院と異なり,関わる多職種は別々の機関から集まり在宅チームを形成する.すなわち多職種・多機関連携となる.互いに医療や介護の専門職とはいえ,機関が異なれば言葉や認識にも差があり,各機関の思惑も絡み,IPWを難しくさせる.また舞台が患者宅であるため,病院とは勝手が違う.相手の城に乗り込むという表現のほうが伝わるかもしれない.病院をホームグラウンドとした場合,患者宅は医療者にとって完全にアウェイとなる.家という舞台で患者の物語を中心に,各専門職の物語が寄り添わなければ在宅ケアは進めることができない.このように,在宅医療におけるIPWの実践には多くの困難があるが,専門職の腕のみせどころであり,醍醐味でもある.
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