特集 生活行為向上マネジメント活用の効果と実用性
生命を尊ぶリハビリテーションだから—生活行為向上マネジメントの可能性
葉山 靖明
1,2,3
1株式会社ケアプラネッツデイサービスけやき通り
2西南学院大学大学院人間科学研究科博士前期課程
3日本作業療法士協会 生活行為向上マネジメント(MTDLP)推進プロジェクト
pp.180-184
発行日 2015年3月15日
Published Date 2015/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5003200059
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はじめに
生活行為向上マネジメントは「作業療法」という素晴らしいリハをわかりやすく体系化したものである。国際生活機能分類(ICF)の概念にも沿った方法であり,若いセラピストにも活用でき,患者側にも専門職側にも有用な共通理解の基盤となるべき画期的な開発で,とても使いやすい実用的なツールでもある。
しかし,その形式のみをとらえ,単に模倣した場合には,本来のリハの実現どころか,かえって遠のくことになりかねない。高齢者や障害者の生活行為・生活の質・人生の質を向上させるべきツールが,長く続いた機能訓練に偏重していた時代へと逆戻りしかねないということを,共通の認識としなければならない。
本稿では,筆者の障害の2つの体験事例を挙げながら,リハやICFに立ち返ることによって,「生活行為向上マネジメント」の形式ではなく,本質を述べたいと考える。やや独りよがりの文章もあるが,それもまた人が一人ひとり生きる姿を重視するリハの本質ととらえていただければ幸いである。
また,ここでは「生活行為」と「作業(Occupation)」を同じ意味とするが,表記上「作業」と統一した。
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