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特集 脊椎脊髄手術 術中・術後出血をいかに減らすか!
脊椎脊髄手術と輸血・自己血回収装置使用の状況
Circumstances of Blood Transfusion and Cell Saver Salvage Use in the Spine Surgery
飯島 靖
1
,
小谷 俊明
1
,
佐久間 毅
1
,
南 昌平
1
Yasushi IIJIMA
1
,
Toshiaki KOTANI
1
,
Tsuyoshi SAKUMA
1
,
Shohei MINAMI
1
1聖隷佐倉市民病院
1Seirei Sakura Citizen Hospital
キーワード:
自己血輸血
,
autologous blood transfusion
,
セルセーバー
,
cell saver salvage
,
側弯症
,
scoliosis
Keyword:
自己血輸血
,
autologous blood transfusion
,
セルセーバー
,
cell saver salvage
,
側弯症
,
scoliosis
pp.605-610
発行日 2024年12月25日
Published Date 2024/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002202373
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はじめに
脊柱変形を代表とする多椎間にわたる広範囲の固定術を伴う脊椎手術では,出血量が多く,同種血輸血が避けられないことがある4).同種血輸血によって,自己血輸血が普及していない1970〜80年代には輸血後肝炎を発症した症例が存在した21,23,29).近年,輸血後感染症の報告は拡散増幅検査導入により激減したが12),周術期に同種血輸血を行った症例で肺炎,創部感染症など周術期感染症や心血管系合併症のリスクが増大すると報告されている6).そのため,同種血輸血を避けるために脊椎外科領域でも自己血輸血が行われるようになった5,10,16,18,25,27).
自己血輸血は貯血式,回収式,希釈式に分けられる20).当院でも,小児から成人を含めた脊柱変形症例に対して,貯血式と回収式自己血輸血を行ってきた.本研究では,当院脊椎外科における輸血の現状を調査し,自己血輸血の意義と問題点について考察する.
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