Japanese
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手術手技 新たな試み
脊柱側弯症手術におけるエリスロポエチンおよび術中回収法使用による自己血輸血
Autologous Blood Transfusion Using Erythropoietin and Intraoperative Blood Salvage for Scoliosis Patients Undergoing Spinal Surgery
尾鷲 和也
1
,
鈴木 聡
1
,
佐本 敏秋
1
Kazuya Owashi
1
1山形県立総合療育訓練センター整形外科
1Yamagata Prefectural Medical Prefectural Medical Rehabilitation Center
キーワード:
autologous blood transfusion
,
自己血輸血
,
scoliosis
,
脊柱側蛮症
,
erythropoietin
,
エリスロポエチン
Keyword:
autologous blood transfusion
,
自己血輸血
,
scoliosis
,
脊柱側蛮症
,
erythropoietin
,
エリスロポエチン
pp.1373-1377
発行日 1997年12月25日
Published Date 1997/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902317
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抄録:23例の脊柱側弯症手術において,体重や基礎疾患・合併症などの身体条件に制約を設けず,エリスロポエチン(EPO)を用いて貯血し,術中回収法を併用し自己血輸血を行った.年齢は10~21歳,平均14.8歳で小児が主である.特発性8例,症候性15例と症候性例が多く,精神発達遅滞や生命予後不良の例も含まれていた.体重も平均37kgで低体重者が多く,30kg未満の例も8例あった.体重×8~10mlを基準に毎週貯血し,Hb値に応じ,EPO6,000単位を週1~3回用い,Hb値の大幅な低下をみることなく平均7回の貯血で約1,600mlの自己血を得た.EPO使用による副作用はなかった.手術は後方法13例,前後合併法10例で,出血は術中および術後24時間を合わせ平均2,300ml,得られた回収血は430ml,使用した自己血は1,500mlであった.大量出血の1例に同種血800mlを使用したが,残る22例は同種血輸血は回避でき,回避率は95.7%であった.小児においてもEPOは安全に使用でき,手術適応となる側弯症は全例自己血輸血の対象としてよい.
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