Japanese
English
臨床経験
エリスロポエチンを用いた自己血輸血の経験
Experience of Using the Recombinant Human Erythropoietin in Autologous Blood Transfusion
金 潤澤
1
,
進藤 裕幸
1
,
東 博彦
1
Yoon Taek Kim
1
1埼玉医科大学整形外科学教室
1Department of Orthopaedic Surgery, Saitama Medical School
キーワード:
自己血輸血
,
autologous blood transfusion
,
エリスロポエチン
,
erythropoietin
,
寛骨臼回転骨切り術
,
rotational acetabular osteotomy
Keyword:
自己血輸血
,
autologous blood transfusion
,
エリスロポエチン
,
erythropoietin
,
寛骨臼回転骨切り術
,
rotational acetabular osteotomy
pp.621-624
発行日 1993年5月25日
Published Date 1993/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901121
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抄録:当科では,遺伝子を組み替えヒトエリスロポエチン(rHuEPO;EPO)を用いて造血能を高め,貯血式自己血輸血法を行っているので,その有効性につき検討した.
対象は寛骨臼回転骨切り術(RAO)予定患者24例で,内訳は静注用EPO 3000IU使用群6例,6000IU使用群6例,皮下注用EPO 3000I∪使用群6例,対象群6例である.全例に自己血輸血を用い,術前貯血として,予定手術日の3週間前から1週毎に400mlずつ計1200ml採血し,冷蔵法にて保存した.EPOを使用した例では,初回の貯血用採血前より週2回静注,あるいは週1回皮下注し,全例に静注用鉄剤を併用した.EPO群では同種血輸血を要した症例はなく,対照群で1例16.7%に400mlの同種血輸血を要した.EPO群では採血後のヘモグロビン濃度の低下が抑制され,対照群に比してヘモグロビン増加量は高かった.なお,EPOによる副作用はなく,全症例を通じて輸血による合併症もなかった.
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