Japanese
English
境界領域
血液の液状保存が6週間できるSAGM液の自己血輸血への応用
Application of SAGM Solution for Autologous Blood Transfusion
樋口 富士男
1
,
酒井 亮
1
,
副島 崇
1
,
内川 知也
1
,
井上 明生
1
,
清川 博之
2
,
前田 義章
2
Fujio Higuchi
1
1久留米大学医学部整形外科
2福岡赤十字血液センター
1Department of Orthopaedic Surgery, Kurume University School of Medicine
キーワード:
自己血輸血
,
autologous blood transfusion
,
SAGM液
,
SAGM solution
,
股関節手術
,
hip surgery
,
臨床的安全性
,
clinical safety
Keyword:
自己血輸血
,
autologous blood transfusion
,
SAGM液
,
SAGM solution
,
股関節手術
,
hip surgery
,
臨床的安全性
,
clinical safety
pp.63-66
発行日 1992年1月25日
Published Date 1992/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408900766
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抄録:現在,自己血輸血の最大の問題は,血液の保存期間が3週間と短いということである.このために大量の貯血が必要な場合や高齢者の実施は困難となり,採血法の工夫や高価なエリスロポエチンや冷凍保存法の応用が試みられている.しかし,本来自己血輸血は各種疾患の治療の補助手段として用いる輸血の合併症を避ける目的で行われており,患者にとっては絶対安全なものでなくてはならない.従って,安全で安価な血液の保存期間の延長は,患者や自己血輸血に携わるも医師にとって理想的な解決法である.西欧では5年以上前から血液を6週間保存できるSAGM液が使用されている.このSAGM液を102例の日本人に対して,400gの自己血輸血用として使用しその安全性を検討した.その結果,SAGM液は,400g使用では臨床的には安全な保存液であった.しかし,一部の症例では使用後一時的に一過性のトランスアミナーゼの軽度の上昇がみられたので,更に症例を増やした確認が必要であると思われた.
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