特集 周術期対応ハンドブック—術前準備から術後管理・社会的対応まで
特集にあたって
根尾 昌志
1
1大阪医科薬科大学整形外科学教室
pp.821
発行日 2023年3月31日
Published Date 2023/3/31
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002201956
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最近の脊椎脊髄手術の発展は目覚ましく,何でもできるような錯覚に陥ります.この背景には,脊椎脊髄外科の診断,手術技術や器具の目覚ましい進歩があることはもちろん,内科学,麻酔科学,ICU管理,リハビリテーション科学など関係する医学領域の発展も大きく寄与しています.しかし,それに伴い手術にあたって考慮しなければならないこともどんどん複雑化しています.患者側の要素としては,超高齢化,複雑な内科的背景,手術に対する過剰な期待などが挙げられますし,手術が高度になればなるほどそれなりの重篤なリスクが伴ってくることも事実です.脊椎脊髄外科医はこれらに対して入念な準備や患者説明が必須で,それでも紛争につながることもあるためそれを防ぐ努力も必要です.
現代の脊椎脊髄外科手術にどう対処するべきか,この特集号では,手術手技の解説ではなく,脊椎脊髄手術を計画するとき,周術期管理・対応で困ったとき,すぐに手に取って調べられるような冊子とすることを目的といたしました.各分野のエキスパートに,術前準備や患者説明の仕方,術中執刀医や助手として注意すべき点,術後管理の留意点を中心に執筆をお願いし,高齢者や小児,スポーツ選手,慢性腰痛患者,交通事故・労災絡みの患者など,患者の特徴に応じた対応の仕方についても解説していただきました.医師だけでなく,法律家の先生にもご執筆いただいております.
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