特集 ハイテク機器を利用した最新の脊椎脊髄手術
特集にあたって
根尾 昌志
1
1大阪医科大学整形外科
pp.937
発行日 2018年11月25日
Published Date 2018/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002200989
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近年のITの進歩はめざましく,当分人間が負けるはずはないといわれていた囲碁の世界ではイ・セドルがAlphaGoに敗れ,つい最近までは夢の車であった自動運転車の公道での走行試験が始まっている.AIの医療への導入もすぐそこまで来ており,放射線診断学や病理学ではAI導入後の診断手順や医師の立ち位置について真剣に議論がなされている.手術がロボットに取って代わられることはまだないだろうが,脊椎脊髄外科の世界にもITの進歩の波がひたひたと押し寄せてきているのは事実である.われわれは,これらハイテクを利用して,より有効な診断・治療法を見出し,平均的知識と技術をもつ外科医が,より正確に診断し,より困難な手術をより安全にできるようにしていくことを目指さなければならない.近年のCT based navigationや3D実体モデルはその最も成功した例であり,今や多くの施設で日常的に使用されて,15〜20年前には考えられなかった高難度の手術が可能となっている.
今回の特集では,近年臨床応用された,または臨床応用に近い最新技術を紹介する.診断・手術の精度を上げる画像処理技術や手術支援機器について,それらの最先端を走る先生方にご執筆いただいた.未来の脊椎脊髄外科を感じさせる各論文をお楽しみいただきたい.
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