Japanese
English
特集 脊髄病理が診断や病態理解に重要な疾患
脊髄鉛筆状軟化
Pencil-shaped Softening of the Spinal Cord
安藤 哲朗
1
,
橋詰 良夫
2
Tetsuo ANDO
1
,
Yoshio HASHIZUME
2
1亀田メディカルセンター脳神経内科
2福祉村病院神経病理研究所
1Department of Neurology, Kameda Medical Center
キーワード:
脊髄鉛筆状軟化
,
pencil-shaped softening of the spinal cord
,
脊髄損傷
,
spinal cord injury
,
亜急性外傷後上行性脊髄症
,
subacute posttraumatic ascending myelopathy
Keyword:
脊髄鉛筆状軟化
,
pencil-shaped softening of the spinal cord
,
脊髄損傷
,
spinal cord injury
,
亜急性外傷後上行性脊髄症
,
subacute posttraumatic ascending myelopathy
pp.737-743
発行日 2023年3月24日
Published Date 2023/3/24
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002201941
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はじめに
脊髄鉛筆状軟化(pencil-shaped softening of the spinal cord)は,脊髄の中央部に数髄節,あるいはそれ以上にわたって境界明瞭な壊死巣が円柱状に形成される特徴的な病変で,脊髄を鉛筆に見立てると壊死巣が鉛筆の芯のようにみえることから名づけられた11).病理解剖による研究が主体であった時期には,病理解剖で脊髄を採取するときの人工産物であると考えられたこともあった.
しかし,最近では臨床診断例の報告があり,注意深い臨床症候,画像所見の観察から病態が明らかになってきた4).本稿では,脊髄鉛筆状軟化の病理,発生機序を概説する.また臨床診断した自験例を提示し,本症の臨床像を概説する.さらに本病態と関連した脊髄内出血や外傷性脊髄空洞症が上下に広がるメカニズムについても論考する.
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