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特集 PLIF・TLIF—手術手技の原点とエキスパートの工夫
自家骨を超える骨移植材料—近未来の脊椎固定術
Biologic Enhancement of Spinal Fusion: Spinal Fusion Surgery in Near Future
海渡 貴司
1
Takashi KAITO
1
1大阪大学大学院医学系研究科器官制御外科学(整形外科)
1Department of Orthopaedic Surgery, Osaka University Graduate School of Medicine
キーワード:
骨移植
,
bone grafting
,
脊椎固定
,
spinal fusion
,
骨形成蛋白
,
bone morphogenetic protein
Keyword:
骨移植
,
bone grafting
,
脊椎固定
,
spinal fusion
,
骨形成蛋白
,
bone morphogenetic protein
pp.503-507
発行日 2022年12月23日
Published Date 2022/12/23
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002201885
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はじめに
立位二足歩行を行う人類には,ほかの哺乳動物と比較して非常に大きな負荷が脊椎に加わる.加えて,超高齢社会の本邦および高齢化が進む世界各国においては,脊椎固定術を要する脊柱変形や脊柱異常可動性(すべり症など)を呈する症例が増加の一途を辿っている.近年,コンピュータ技術の進歩により,ナビゲーションやロボットを用いたインストゥルメンテーション設置技術が脚光を浴びているが,固定術においてインストゥルメンテーション設置は脊椎の仮固定に過ぎず,骨癒合の獲得が早期に達成されない場合にはインプラントの折損やゆるみなどにより,臨床症状の悪化や再手術が必要となる可能性が高まる.
今後,健康寿命のさらなる延伸により骨質・骨形成能が低下した高齢者を対象とする手術の頻度が増加することが予想され,骨癒合不全や偽関節が関連する諸問題を解決するために骨再生治療の脊椎領域への応用のニーズは高まっている.本稿では,各種骨補塡材料の特徴を整理し,生物学的な骨再生の現状および将来の展望について述べる.
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