Japanese
English
特集 Multiply operated back
腰椎多数回手術例の検討
Evaluation of Multiply Operated Back
小早川 裕明
1
,
石川 道雄
1
,
山下 守昭
1
,
伊藤 晴夫
1
,
石田 義人
1
,
片山 直樹
1
,
並木 保憲
1
,
森 健躬
1
Hiroaki KOBAYAKAWA
1
1東京厚生年金病院整形外科
1Department of Orthopedic Surgery, Tokyo Koseinenkin Hospital
キーワード:
腰椎多数回手術
,
multiply operated back
,
脊椎固定
,
spinal fusion
,
椎間板造影
,
discography
Keyword:
腰椎多数回手術
,
multiply operated back
,
脊椎固定
,
spinal fusion
,
椎間板造影
,
discography
pp.392-399
発行日 1981年4月25日
Published Date 1981/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408906331
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近年脊椎外科の進歩はめざましく,腰痛,下肢痛を呈する諸疾患に対し,積極的な手術療法を施し,すぐれた成績が一般に得られている.しかしながら,満足な結果が得られず,多数回手術にいたる例も決して少なくはなく,最近,この原因と対策がとみに注目されるようになつた.とりわけ腰痛疾患の中心である腰椎椎間板ヘルニアでは,その手術適応はもとより,手術方法の選択も大きく予後に影響を与えることがある.最も一般的に普及し,かつ,実施されているLove法は,直視下で病態を確認し,神経根に対して除圧を行いうること,手術操作が比較的容易なこと,手術侵襲にさしたる負担がなく,早期の社会復帰が可能なことなど,多くの利点を有してはいるが,手術操作が直接硬膜外腔におよぶことから,術後のlaminectomy membraneによる神経周囲組織の癒着,癒着性クモ膜炎,さらに椎間板組織の変性進行など,大きな問題をもあわせもつている.
また一方では,これら整形外科的観点からのみでは不十分で,心因的要素も無視できない場合があり,ときとして精神科医との連携も必要となる.多様化した今日の社会では,こうした症例が一層増加傾向をたどるものと思われる.
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