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特集 PLIF・TLIF—手術手技の原点とエキスパートの工夫
手術の工夫とピットフォール—Mini-open TLIF
Tips and Pitfalls for Mini-open TLIF
森平 泰
1
,
種市 洋
1
Hiroshi MORIDAIRA
1
,
Hiroshi TANEICHI
1
1獨協医科大学整形外科学
1Department of Orthopedic Surgery, Dokkyo Medical University School of Medicine
キーワード:
TLIF
,
transforaminal lumbar interbody fusion
,
低侵襲手術
,
minimally invasive surgery
,
変性すべり症
,
degenerative spondylolisthesis
Keyword:
TLIF
,
transforaminal lumbar interbody fusion
,
低侵襲手術
,
minimally invasive surgery
,
変性すべり症
,
degenerative spondylolisthesis
pp.463-470
発行日 2022年12月23日
Published Date 2022/12/23
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002201881
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はじめに
動的な不安定性を伴って脊柱管や椎間孔の狭窄を引き起こす腰椎疾患においては,従来,腰椎後方固定術が標準的な外科治療として選択されてきた1).しかし腰椎後方固定術の大きな問題点として,いわゆるfusion diseaseといわれる「腰部の不快な違和感」や「ハリ感」といった愁訴の遺残が挙げられる.これは術後の傍脊柱筋の筋変性が原因の1つとされており,椎弓根スクリュー刺入や後側方固定の骨移植母床作成のために,後方正中アプローチから外側に向かって行われる広範な筋剝離と,さらにレトラクターによる術中の長時間の圧排による筋疎血によると考えられている3).
解剖学的な「筋間」を進入するWiltseの傍脊柱筋間アプローチを併用したmini-open transforaminal lumbar interbody fusion(TLIF)では,椎体間固定の操作を行う椎間孔部や椎弓根スクリュー刺入部に筋間から筋剝離を最小限に留めて到達する5).脊柱管除圧に用いる正中アプローチと左右の筋間アプローチを組み合わせることで,それぞれの展開保持時間が短くなる4).骨癒合は椎体間で得るため,骨移植母床のための広範な後方要素の展開は不要であり,加えて椎体間操作は片側のみで行うため進入反対側の椎間関節は温存される2).
本稿では,第4腰椎変性すべり症に対するL4/5椎間固定を例に挙げて,mini-open TLIFにおける手術手技の工夫とピットフォールを解説する.
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