Japanese
English
特集 脊椎・脊髄感染症の診断と治療—最近の知見
脊椎感染症の保存療法
Conservative Treatments for Spinal Infections
伊東 学
1
,
吉崎 秀和
1
,
小甲 晃史
1
Manabu ITO
1
,
Hidekazu YOSHIZAKI
1
,
Terufumi KOKABU
1
1国立病院機構北海道医療センター整形外科
1National Hospital Organization Hokkaido Medical Center
キーワード:
脊椎感染症
,
spinal infections
,
保存治療
,
conservative treatments
,
総合医療
,
comprehensive medicine
Keyword:
脊椎感染症
,
spinal infections
,
保存治療
,
conservative treatments
,
総合医療
,
comprehensive medicine
pp.147-152
発行日 2022年8月9日
Published Date 2022/8/9
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002201811
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はじめに
近年,高齢社会の進展とともに多様な基礎疾患を有する高齢者の難治性脊椎感染症が増加している.永島ら12)は,1985年以降,高齢者の感染の増加や薬剤耐性菌の増加傾向があると報告した.MRIなどの画像診断の進歩により,椎間板高の低下のみで椎体破壊の少ない早期に脊椎感染症が診断できれば,局所の安静と抗生剤の点滴静注を主体とした保存治療で完治できる場合も少なくない.脊椎破壊が進行した場合には脊柱再建術が適応となるが,高齢者の脊椎感染症に対する再建手術は,全身管理が難しく周術期の合併症頻度が高い1).
本稿では,化膿性脊椎炎を中心に,脊椎感染症における保存治療の実際,特に高齢者に対する集学的治療の必要性とその進め方について論述する.
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