Japanese
English
特集 脊椎脊髄手術の安全性を高める予防と対策
第2章 各論
4.各種疾患,治療法について
胸椎instrumentationの合併症の予防と対策
Surgical Complications Related to Spinal Instrumentation in the Thoracic Spine
伊東 学
1
,
小甲 晃史
1
Manabu ITO
1
,
Terufumi KOKABU
1
1国立病院機構北海道医療センター整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, National Hospital Organization Hokkaido Medical Center
キーワード:
脊椎インストゥルメンテーション
,
spinal instrumentation
,
胸椎
,
thoracic spine
,
手術合併症
,
surgical complications
Keyword:
脊椎インストゥルメンテーション
,
spinal instrumentation
,
胸椎
,
thoracic spine
,
手術合併症
,
surgical complications
pp.431-439
発行日 2018年4月25日
Published Date 2018/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002200863
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はじめに
腰椎や頸椎に比べて胸椎の手術症例数は少ないため,胸椎の脊椎instrumentationを得意とする若手脊椎外科医は多くはない.腰椎で慣れていると自負している椎弓根スクリューでも,胸椎におけるスクリュー刺入点は腰椎とはまったく異なるうえ,横突起や椎間関節の形態が異なることから,スクリュー刺入のテクニックは別物といっても過言ではない.高度の脊柱変形例では,椎弓根自体の解剖が変化し,太さが3mm未満の場合や髄腔が存在しない椎弓根も数多く,椎弓根スクリュー設置が物理的に困難な場合も少なくない.このような場合には,椎弓根スクリューに代わるほかのアンカー設置のテクニックが必要となる.横突起フックや椎弓根フックの設置の仕方,また椎弓フックの設置にも注意すべき点が数多くある.本稿では,自身の臨床経験をもとに,胸椎instrumentationをいかに正しく安全に実施し合併症を防ぐかについて論述する.
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