Japanese
English
特集 脊椎・脊髄感染症の診断と治療—最近の知見
脊椎感染症の手術療法
Surgical Treatment for Pyogenic Spondylodiscitis
寺井 秀富
1
,
中村 博亮
1
Hidetomi TERAI
1
,
Hiroaki NAKAMURA
1
1大阪公立大学大学院医学研究科整形外科学
1Department of Orthopedic Surgery, Osaka Metropolitan University Graduate School of Medicine
キーワード:
化膿性脊椎椎間板炎
,
pyogenic spondylodiscitis
,
脊椎手術
,
spinal surgery
,
脊椎固定術
,
spinal fixation
Keyword:
化膿性脊椎椎間板炎
,
pyogenic spondylodiscitis
,
脊椎手術
,
spinal surgery
,
脊椎固定術
,
spinal fixation
pp.153-160
発行日 2022年8月9日
Published Date 2022/8/9
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002201812
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はじめに
近年,人口の高齢化に伴って脊椎感染症の発生も増加している4,9).脊椎感染症の治療戦略は,基本的に適切な抗菌薬投与と局所安静による保存療法である.しかし,抗菌薬投与のみで感染を鎮静化できない場合,疼痛を制御できない場合,神経障害を生じている場合,椎体破壊が進行し脊柱不安定性を生じる場合などでは手術加療を検討しなければならない1).手術療法として,ドレナージ,後方除圧術,後方固定術,前方固定術などさまざまな方法が報告されている.個々の症例の状態に応じた手術療法を選択すべきであるが,骨粗鬆症,糖尿病といった併存症の多い高齢者,ステロイド・免疫抑制剤の使用や血液透析患者などの易感染性宿主など本来手術を避けたい症例にこそ手術加療が必要になることも多く,可能な限り低侵襲な治療法が望まれる.近年,経皮的スクリューや低侵襲前方アプローチといった低侵襲脊椎手術の発展とともに,脊椎感染症の治療も変化してきている.本稿では,脊椎感染症に対する手術療法としてドレナージ,後方除圧,後方固定,前方固定(椎体間固定)の各手技について概説する.
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