仙腸関節固定術の成績とpitfall

Clinical Results of Sacroiliac Joint Arthrodesis for Patients with Severe Sacroiliac Joint Pain and Technical Pitfalls of Surgical Procedures

仙腸関節固定術の変遷

　1920年代，Smith-Petersenら^29）が初めて仙腸関節固定術を報告した．Gaenslen^4）は，結核性仙腸関節炎に対する手術を，仙腸関節機能障害による重症例に応用して施行した．これまでさまざまな手術方法が考案され臨床で用いられてきた^30,35）が，手術自体は最重症例にのみ施行され，全体の数は多くはなかった．

　われわれは1999年から仙腸関節固定術を行ってきた．初期に側方からスクリューを用いた固定を3例で行い，疼痛の改善が不十分であったことから，前方固定術に切り替えた^20）．重症例には強固な固定が必要で，最も負担がかかり変性が進む仙腸関節前方^3,18）をプレートによって面で固定し，かつ直視下で関節軟骨を確実に掻把し，骨移植を行える前方固定が有効であることがわかった（図 1）．