Japanese
English
臨床経験
転移性脊髄髄内腫瘍の1治験例
Intramedullary Metastatic Spinal Tumor: A Case Report
布施 謙三
1
,
三河 義弘
1
,
長谷川 徹
1
,
今井 弘子
1
,
渡辺 良
1
Kenzo Fuse
1
1川崎医科大学整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Kawasaki Medical School
キーワード:
転移性脊髄腫瘍
,
metastatic spinal tumor
,
髄内腫瘍
,
intramedullary tumor
Keyword:
転移性脊髄腫瘍
,
metastatic spinal tumor
,
髄内腫瘍
,
intramedullary tumor
pp.1403-1405
発行日 1991年12月25日
Published Date 1991/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408900489
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抄録:転移性髄内腫瘍は非常に稀であり,その発生率は転移性脊髄腫瘍全体の1~3%とされている.今回我々は単発性に生じた転移性脊髄髄内腫瘍の1例を経験した.症例は41歳の女性で,両下肢筋力低下およびしびれ感のため歩行困難となって来院した.初診時LIレベル以下の知覚鈍麻と下肢の筋力低下,排尿障害を認めた.MRIではTh12からL1レベル間で脊髄内に嚢胞状の腫瘍陰影を,ミエログラムではTh12椎体下1/3からL1椎体下1/3レベルで騎袴状の完全ブロックを認めた.Th11からL1までの椎弓切除を行い,脊髄を後方正中で切開したところ,嚢胞状の腫瘍を認めた.完全摘出不可能であったため除圧の目的で人工硬膜移植を行い,後方固定術を追加した.病理組織学的にはadenocarcinomaと診断された.手術後,排尿障害は消失,神経学的症状も軽快して独歩可能となった.本症例は硬膜移植及び後方の除圧が有効であったと思われる.
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