Japanese
English
特集 頸椎変性疾患/髄内腫瘍
髄内腫瘍
Spinal Intramedullary Tumor
小柳 泉
1
,
飛驒 一利
2
Izumi KOYANAGI
1
1北海道脳神経外科記念病院
2札幌麻生脳神経外科病院
1Hokkaido Neurosurgical Memorial Hospital
キーワード:
髄内腫瘍
,
intramedullary tumor
,
診断
,
diagnosis
,
外科治療
,
surgical treatment
Keyword:
髄内腫瘍
,
intramedullary tumor
,
診断
,
diagnosis
,
外科治療
,
surgical treatment
pp.179-201
発行日 2021年9月25日
Published Date 2021/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002201602
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はじめに
脊髄髄内腫瘍は,脊髄実質に発生した腫瘍の総称であり,軟膜下腫瘍も含まれる.脳実質に発生する腫瘍は,ほぼすべて脊髄にも発生するが,髄内腫瘍の症例数は脳腫瘍に比べて少なく,正確な発生頻度や病態はわかっていない.一般に,髄内腫瘍は,中枢神経系腫瘍の2〜4%96),原発性脊髄腫瘍の20〜30%80)とされている.このような髄内腫瘍の発生頻度は,脊髄の重量が脳の約2%(脊髄は約25〜28g,脳は約1,200〜1,400g)であること9,46)を反映していると思われる.
2016年に発表されたWHO中枢神経腫瘍病理分類は,腫瘍の遺伝子情報を加えた新たな分類となり62),従来の細胞形態と免疫組織化学染色による診断に比べて,より画期的なものになっている.しかし,これらは多くの脳腫瘍研究の知見が反映されたものである.髄内腫瘍の発生頻度は圧倒的に少なく,実際の臨床では,従来の知見と最新の脳腫瘍での知見を併せて考慮し,治療方針を決定する必要がある.このため本稿では,従来の髄内腫瘍の分類に基づいて,最近の知見を交えて記載する.
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