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特集 腰椎分離症—病態・診断・治療
腰椎分離症の病態・診断・治療に関する研究の進歩—Overview
Advances in Research on the Pathology, Diagnosis, and Treatment of Lumbar Spondylolysis
笠舛 拓也
1,2
,
西良 浩一
1
Takuya KASAMASU
1,2
,
Koichi SAIRYO
1
1徳島大学大学院医歯薬学研究部運動機能外科学
2八王子スポーツ整形外科リハビリテーションセンター
1Department of Orthopedics, University of Tokushima Graduate School
キーワード:
腰椎分離症
,
lumbar spondylolysis
,
疲労骨折
,
stress fracture
,
病期分類
,
classification of disease stages
Keyword:
腰椎分離症
,
lumbar spondylolysis
,
疲労骨折
,
stress fracture
,
病期分類
,
classification of disease stages
pp.6-12
発行日 2021年1月25日
Published Date 2021/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002201561
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病態
[1]腰椎分離症の歴史
1782年ベルギーの産科医Herbinaux8)により第5腰椎椎体の前方すべりが報告され,1854年Kilian14)がこの状態を“脊椎すべり症”と定義した.1855年になりRobert21)はすべり症の主因が関節突起間部(pars interarticularis:Pars)の分離であることを提唱した.Parsに分離が発生する原因について,これまで先天的な疾患であるとする説や分娩外傷による骨折であるとする説,血行不良による壊死であるとする説が提唱されてきた.Wiltse50)は,疲労骨折によりParsに分離が発生すると報告し,今日では①胎児および新生児では分離症がみられない24),②生下時より歩行したことのないnon-ambulatorでは分離症がみられない22),③体幹運動の多いスポーツ選手40,42)や体幹不随意運動が繰り返されるアテトーゼ型脳性麻痺患者での発生率が高い35),④長管骨の疲労骨折と類似のX線経過をたどる5,32),といった観点からも腰椎分離症はParsの疲労骨折であると考えられている.
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