椎体骨折予防と治療における至適な薬物療法について—デノスマブ，テリパラチド，ロモソズマブの使い分け

Optimal Pharmacotherapy for Prevention and Treatment of Osteoporotic Vertebral Fractures: Proper Use of Denosumab, Teriparatide, and Romosozumab

はじめに

　骨粗鬆症性椎体骨折の予防と治療には，薬物療法が必須である．実臨床では，多くの骨粗鬆症治療薬の特徴を理解し，個々の患者の病態に適すると判断した薬剤を選択する．本稿では，各種の骨粗鬆症治療薬がもつ椎体骨折抑制効果を概説した後，抗receptor activator of NF-κB ligand（RANKL）抗体薬のデノスマブ，副甲状腺ホルモン薬のテリパラチド，抗スクレロスチン抗体薬のロモソズマブの3剤に焦点を絞り，われわれの診療研究グループであるA-BONE（Akita Bone and Osteoporosis Network）が考える各薬剤の適応を診療経験とともに述べる．