特集 頭痛診療のパラダイムシフト
脳脊髄液減少症/脳脊髄液漏出症の治療戦略
橋本 洋一郎
1
,
髙松 孝太郎
2
,
和田 邦泰
3
1熊本市民病院脳神経内科 首席診療部長
2熊本市民病院脳神経内科 医長
3熊本市民病院脳神経内科 部長
キーワード:
脳脊髄液漏出症
,
脳脊髄液減少症
,
起立性頭痛
,
体位性頻脈症候群
,
治療戦略
Keyword:
脳脊髄液漏出症
,
脳脊髄液減少症
,
起立性頭痛
,
体位性頻脈症候群
,
治療戦略
pp.41-45
発行日 2021年9月20日
Published Date 2021/9/20
DOI https://doi.org/10.34449/J0001.39.09_0041-0045
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脳脊髄液減少症(cerebrospinal fluid hypovolemia)/脳脊髄液漏出症(cerebrospinal fluid leak)の診断の第一歩は,病歴の詳細な聴取である。特に片頭痛,緊張型頭痛,薬剤の使用過多による頭痛(薬物乱用頭痛)などのある患者が脳脊髄液減少症/脳脊髄液漏出症を発症してきた場合には,複数の頭痛について根気強く病歴を聞いて,解きほぐして,新たに発症した脳脊髄液減少症/脳脊髄液漏出症(通常,鎮痛薬が効かない慢性連日性頭痛,起立性頭痛)を探り出す。脳脊髄液減少症/脳脊髄液漏出症の発症初期は安静だが,同じ起立性頭痛を呈する体位性頻脈症候群(postural tachycardia syndrome:POTS)では可能な限り安静を避けるようにするといった対応が必要であり,2つの疾患の鑑別は重要である。「KEY WORDS」脳脊髄液漏出症,脳脊髄液減少症,起立性頭痛,体位性頻脈症候群,治療戦略
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