Japanese
English
今月の特集 脳脊髄液検査—その基礎と新しい展開
水頭症および脳脊髄液減少症と脳脊髄液検査
Biomarkers for cerebrospinal fluid leakage and hydrocephalus
星 京香
1
1福島県立医科大学医学部生化学講座
キーワード:
特発性正常圧水頭症
,
iNPH
,
特発性低髄液圧症候群
,
SIH
,
トランスフェリン
,
Tf
,
糖鎖アイソフォーム
,
レクチン
,
脳脊髄液
Keyword:
特発性正常圧水頭症
,
iNPH
,
特発性低髄液圧症候群
,
SIH
,
トランスフェリン
,
Tf
,
糖鎖アイソフォーム
,
レクチン
,
脳脊髄液
pp.549-554
発行日 2023年5月15日
Published Date 2023/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542203303
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Point
●脳脊髄液中には糖鎖修飾が異なる血清型トランスフェリン(Tf)と脳型Tfが存在する.脳型Tfは脳脊髄液産生組織である脈絡叢から分泌され,脳脊髄液産生マーカーと考えられる.
●特発性正常圧水頭症(iNPH)は脳脊髄液吸収障害によって脳室内に脳脊髄液が過剰に貯留し,脳実質が圧迫されて認知症や歩行障害を呈する老人性の水頭症である.
●脳脊髄液減少症/特発性低髄液圧症候群(SIH)は髄液の漏出によって低髄液圧となり,脳の下方偏移に基づいて起立性頭痛やめまい,難聴,嘔気など,さまざまな症状を呈する.
●iNPHでは,髄液産生の低下に伴って脳型Tfが減少する.一方,SIHでは,髄液漏出による代償性の髄液産生の亢進に伴って脳型Tfが増加する.
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