Japanese
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特集 頸椎前方手術Up To Date 2
重度頸椎後弯に対する前後合併手術による矯正固定
A-P Combined Corrective Surgery for Severe Cervical Kyphosis
國府田 正雄
1
,
安部 哲哉
1
,
船山 徹
1
,
野口 裕史
1
,
三浦 紘世
1
,
長島 克弥
1
,
俣木 健太朗
1
,
柴尾 洋介
1
,
山崎 正志
1
Masao KODA
1
,
Tetsuya ABE
1
,
Toru FUNAYAMA
1
,
Hiroshi NOGUCHI
1
,
Kousei MIURA
1
,
Katsuya NAGASHIMA
1
,
Kentaro MATAKI
1
,
Yosuke SHIBAO
1
,
Masashi YAMAZAKI
1
1筑波大学医学医療系整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, University of Tsukuba
キーワード:
頸椎後弯
,
cervical kyphosis
,
矯正手術
,
corrective surgery
,
前後合併手術
,
A-P combined surgery
Keyword:
頸椎後弯
,
cervical kyphosis
,
矯正手術
,
corrective surgery
,
前後合併手術
,
A-P combined surgery
pp.757-761
発行日 2019年8月25日
Published Date 2019/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002201194
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背景
頸椎後弯による矢状面アライメント不良に起因する前方注視障害や頸部痛などの症状を訴える場合や脊髄除圧のために必要な場合に,後弯の矯正を検討する必要がある.基本的には,後方のinstrumentを用いた矯正・固定が後弯矯正の主役であることには異論がないだろう7).では,頸椎後弯矯正において前方手術の併用が必須または望ましい状況とはいかなるものであろうか? 筆者の考える前方手術の併用が必須である状況は,①椎体骨折後変形治癒などによる明らかな椎体変形自体が後弯の主因である場合,②後弯を呈したまま椎体間が骨癒合しており後方単独では到底矯正できない場合,③椎間板変性・骨棘形成が高度で後方単独では矯正不足が予想され前方からの解離が必要な場合などが想定される.一方,前方手術の併用が必須ではないが考慮してもよい状況としては,①椎間板変性が高度で後方から単独の後弯矯正がしにくい場合(前方からの解離・固定による椎間板高の増大により矯正が容易になる),②前方固定による椎間高増大で医原性椎間孔狭窄の予防を図る場合などが想定される6).
術式の選択に際しては,術式ごとに起こりやすい合併症についても考慮する必要がある.頸椎変形に対する矯正手術において,前方単独・後方単独・前後合併それぞれの術式ごとに術後合併症を調べた報告では,後方単独手術に神経合併症が,前後合併手術に嚥下障害がそれぞれ有意に多く発生していた4).特に術前から上肢麻痺や嚥下障害などを併発している症例においては十分な検討が必要であろう.
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