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特集 脊椎脊髄疾患に対する分類・評価法
第7章 先天性
歯突起形成異常の分類
Classification of Odontoid Dysplasia
師田 信人
1
Nobuhito MOROTA
1
1北里大学脳神経外科
1Department of Neurosurgery, Kitasato University School of Medicine
キーワード:
歯突起
,
odontoid process
,
形成異常
,
dysplasia
,
分類
,
classification
Keyword:
歯突起
,
odontoid process
,
形成異常
,
dysplasia
,
分類
,
classification
pp.454-458
発行日 2020年4月25日
Published Date 2020/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002201392
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歯突起の形成と骨化過程
頭蓋頸椎移行部は,再分節しない後頭骨と再分節する脊椎(頸椎)の移行部位であり,脊椎形成において最も複雑な発生過程をとる.頸椎,その中でも環椎・軸椎は移行脊椎の役割を果たす9).歯突起も含めた軸椎の形成には第5体節から第7体節に由来するproatlas(歯突起先端),C1椎板(歯突起基部),C2椎板(歯突起椎体および椎弓)の3要素が関わる3,5,6).軸椎形成母体を理解するにあたっては,歯突起自体は本来は環椎(C1)の椎体に相当することを念頭に置いておくとわかりやすい.
軸椎は形成母体だけでなく,骨化過程も複雑な経過をとる1,5,6).胎生期に形成される骨化中心は歯突起先端・左右歯突起体部・軸椎椎体・左右軸椎椎弓の5つである.通常,歯突起の左右1対の骨化中心は出生時には癒合(輪郭は判別可能)している.また,歯突起先端部の骨化核が出現するのは2歳過ぎである.そのため,出生時に確認できる骨化核は3カ所となる.各骨化核の癒合時期も異なる.歯突起先端部が本体(歯突起)と癒合するのは6〜12歳である.歯突起骨折との鑑別がときに問題となる歯突起基部と軸椎椎体の軟骨結合は3〜5歳で始まり,終了するのは6〜10歳となる.
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