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イラストレイテッド・サージェリー 手術編Ⅱ-113
頸髄腹側に発生した海綿状血管腫に対する前方アプローチ
Anterior Approach for Cervical Ventral Intramedullary Cavernous Hemanigomas
名越 慈人
1
,
中村 雅也
1
Narihito NAGOSHI
1
,
Masaya NAKAMURA
1
1慶應義塾大学整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Keio University School of Medicine
pp.171-175
発行日 2020年3月25日
Published Date 2020/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002201322
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適応疾患・手術の留意点
脊髄髄内腫瘍に対する手術では,通常後方進入で後正中溝または後根進入部からアプローチすることが多い.しかし,腫瘍が脊髄腹側に限局する場合,後方アプローチでは腫瘍に到達し全容を捉えることが困難であり,不完全切除にとどまる可能性がある.また,脊髄深部に至るまで手術操作を行うことで,術後の神経脱落症状の出現も懸念される.
腫瘍が頸髄の腹側に限局する場合,前方アプローチは有用な進入方法になる.長径が1椎体未満の小さな腫瘍で髄表に出ている海綿状血管腫は,前方アプローチのよい適応である.椎体の前後径が長いと,腫瘍を摘出する際の操作も困難になるため,椎体を削る際には可能な限り外側へ広く除圧しておくことが大切である.腫瘍を摘出した後は,硬膜・くも膜縫合を密に行い髄液漏を予防し,骨移植を行って前方固定術を行う.
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