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イラストレイテッド・サージェリー 手術編Ⅱ-104
化膿性脊椎炎に対するPED(経皮的内視鏡下椎間板切除術)
Percutaneous Endoscopic Discectomy(PED)for Surgical Treatment of Vertebral Osteomyelitis
安部 哲哉
1
,
船山 徹
1
,
三浦 紘世
1
,
野口 裕史
1
,
國府田 正雄
1
,
山崎 正志
1
Tetsuya ABE
1
,
Toru FUNAYAMA
1
,
Kosei MIURA
1
,
Hiroshi NOGUCHI
1
,
Masao KODA
1
,
Masashi YAMAZAKI
1
1筑波大学医学医療系整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Faculty of Medicine, University of Tsukuba
pp.1033-1040
発行日 2018年12月25日
Published Date 2018/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002201010
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手術適応
化膿性脊椎炎に罹患する患者は易感染性宿主が多く1),手術療法の侵襲性も大変重要な要素である.
化膿性脊椎炎に対する経皮的内視鏡下椎間板切除術(percutaneous endoscopic discectomy:PED)は,経皮的内視鏡下腰椎椎間板ヘルニア摘出術(percutaneous endoscopic lumbar discectomy:PELD)の手技を応用したもの2)で,罹患した椎間の感染巣を経皮的に掻爬洗浄するとともに,術中の検体採取による組織病理学的評価や培養を行うことができる.
PEDの適応できる高位はT11/12からL5/S1までである.T11/12,T12/L1高位では肋骨や胸郭が,L1/2,L2/3では肋骨や後腹膜臓器(腎臓や上行・下行結腸など)が,L4/5,L5/S1では腸骨や仙骨(sacral ala)がアプローチに干渉することがあるため注意する(図1,2).
PEDを実施するタイミングは,化膿性脊椎炎に対する1st lineあるいは2nd lineの抗菌薬投与で感染の制御が不十分な場合と,化膿性脊椎炎が疑われるが診断が確定していない場合に大別される.前者は抗菌薬治療の効果を高めること,後者は椎間板組織の検体採取が主目的となる.
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