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特集 脊椎脊髄手術の安全性を高める予防と対策
第2章 各論
3.術後
硬膜損傷・髄液漏の予防と対策
Prevention of Intraoperative Dural Injury and Postoperative Cerebrospinal Fluid Leakage
德橋 泰明
1
,
上井 浩
1
,
間世田 優文
1
Yasuaki TOKUHASHI
1
,
Hiroshi UEI
1
,
Masafumi MASEDA
1
1日本大学医学部整形外科系整形外科学分野
1Department of Orthopaedic Surgery, Nihon University School of Medicine
キーワード:
硬膜損傷
,
dural injury
,
髄液漏
,
cerebrospinal fluid leakage
,
スパイナルドレナージ
,
spinal drainage
Keyword:
硬膜損傷
,
dural injury
,
髄液漏
,
cerebrospinal fluid leakage
,
スパイナルドレナージ
,
spinal drainage
pp.371-376
発行日 2018年4月25日
Published Date 2018/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002200853
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はじめに
術中の硬膜損傷は,脊椎除圧手術で最も多く遭遇する合併症であり,発生率は0.5〜18%とされている5).日本脊椎脊髄病学会2013年度合併症報告でも,最頻の2.1%と報告されている7).しかし,硬膜損傷は術中に損傷に気づかないことも多く,術後皮下,軟部組織間に貯留した状態を含めると,その頻度は報告よりはるかに多いと考えられる.
硬膜に隣接する組織を切除・摘出して行われる除圧操作では,硬膜損傷はある程度はやむを得ない反面,個人の技術に大きく依存する.そのため,組織的な予防的リスクマネジメントは確立していない.そこで本稿では,硬膜損傷・髄液漏の予防と対策について,段階ごとに最近のレビューと筆者の経験について紹介する.
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