Japanese
English
特集 脊椎手術体位の工夫—周術期合併症を避けるため
脊椎手術における体位による身体への影響の検討
Influence on the Body in the Prone Position of Spinal Surgery
川村 大地
1
Daichi KAWAMURA
1
1東京慈恵会医科大学脳神経外科
1Department of Neurosurgery,The Jikei University School of Medicine
キーワード:
脊椎手術
,
spinal surgery
,
腹臥位
,
prone position
,
褥瘡
,
pressure ulcer
Keyword:
脊椎手術
,
spinal surgery
,
腹臥位
,
prone position
,
褥瘡
,
pressure ulcer
pp.979-984
発行日 2017年11月25日
Published Date 2017/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002200739
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はじめに
脊椎脊髄手術の多くは腹臥位によって行われ,これはいわゆる特殊体位の1つである.特殊体位では患者の体位が非生理的となるため,さまざまな合併症に注意が必要となる.
特に腹臥位では,体位変換時における血圧の変動や,腹圧の上昇による静脈灌流障害などの循環に対する影響,体位変換時における挿管チューブの誤抜去や胸腔の圧迫による一回換気量の低下などの呼吸器に対する影響などに注意を要する.また,上肢の過度な挙上や,4点支持台などによる腋窩や鼠径部の圧迫で,尺骨神経障害や腕神経叢障害,外側大腿皮神経障害などの末梢神経障害が生じるリスクがある.さらには手術台や固定具による圧迫,同一体位における長時間の手術は皮膚や皮下組織のトラブルの原因となり,特に前胸部や腸骨稜,膝などの褥瘡発生のリスクとなる.
当院でも腹臥位における体位を見直し,これらの合併症予防に努めてきた.その経験を,特に褥瘡発生の予防を中心に報告する.
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