研究・報告
湿潤と摩擦・ずれ予防を考慮した体位変換マットの開発とその有効性
真田 弘美
1
,
須釜 淳子
1
,
田端 恵子
2
,
新谷 喜美子
2
,
山田 利秋
3
1金沢大学医学部保健学科
2卯辰山記念病院
3(有)山田工業所
キーワード:
褥瘡
,
マット
,
温度
,
摩擦・ずれ
,
pressure ulcer
,
mattress
,
moisture
,
friction and shear
Keyword:
褥瘡
,
マット
,
温度
,
摩擦・ずれ
,
pressure ulcer
,
mattress
,
moisture
,
friction and shear
pp.494-498
発行日 1997年7月15日
Published Date 1997/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688901684
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筆者らが考案した湿潤と摩擦・ずれ予防用体位変換マット(タイカンマット)の有効性について検討した.タイカンマットは,繊維に超柔軟樹脂の一種である塩化ビニール合成樹脂(PVC)を被覆した紐(レインボー紐,山田製作所)を2.5cm間隔で生地に折り込んである.PVCの特性を活かし恒温性を保持できると共に弾力性も兼ね備えていることが特徴である.その効果を10名の寝たきり高齢者に6時間使用し,バスタオル使用時と比較しすると,①寝床内の温度と湿度は,有意にタイカンマットが低い値を示した.特に発汗量の多い対象では,顕著な差がみられた.②しわの本数は360分後ではタイカンマットでは平均1.2本,バスタオルでは平均3.6本で有意な差がみられた.
以上より,超柔軟樹脂を織り込んだマットは,湿潤や摩擦・ずれに効果が大きいことが示唆された.
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