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特集 脊椎外科最近の進歩―OPLLを中心として―(第26回日本脊椎外科学会より)
脊椎手術後に発症した肺血栓塞栓症の臨床的検討
Clinical Analysis for Pulmonary Thromboembolism Complicated after Spinal Surgery
米倉 徹
1
,
岡島 行一
1
,
高橋 寛
1
,
新井 克佳
1
,
茂手木 三男
1
Toru Yonekura
1
1東邦大学医学部整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Toho University School of Medicine
キーワード:
pulmonary thromboembolism
,
肺血栓塞栓症
,
spinal surgery
,
脊椎手術
Keyword:
pulmonary thromboembolism
,
肺血栓塞栓症
,
spinal surgery
,
脊椎手術
pp.393-399
発行日 1998年4月25日
Published Date 1998/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902407
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抄録:1993年1月から1996年12月における脊椎手術後発症の肺血栓塞栓症9例について臨床的特徴を検討した.発症頻度は2.3%(男性1.6%,女性3.4%)であり,各年代に発症していたが,特に70歳代(全例男性)の発症頻度が高かった.手術高位,進入経路および固定術併用の有無と発症頻度とは無関係であった.術前のBody Mass Indexが24以上の肥満例に発症頻度が高かった.発症時期は術後最初の体位交換後が5例,離床直後が4例であった.前駆症状では感染徴候を伴わない発熱および頻脈,臨床症状では呼吸困難および胸痛,血液生化学的検査所見では白血球の軽度増加,LDHおよびD-dimerの上昇などが特徴的であった.肺動脈造影の欠損像および縮小像により確定診断が得られたが,3次元肺血流シンチグラムはスクリーニングに有用であった.7例は軽快したが,死亡および抗凝固剤による馬尾神経麻痺を各1例に認めた.
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