Japanese
English
特集 C5麻痺の今
除圧幅を厳密に調整した椎弓切除術はC5麻痺発生を減少させる
Narrow Laminectomy Significantly Reduced the Incidence of C5 Palsy
海苔 聡
1
,
青山 龍馬
1
,
二宮 研
1
,
山根 淳一
2
,
北村 和也
3
,
白石 建
1
Satoshi NORI
1
,
Ryoma AOYAMA
1
,
Ken NINOMIYA
1
,
Junichi YAMANE
2
,
Kazuya KITAMURA
3
,
Tateru SHIRAISHI
1
1東京歯科大学市川総合病院整形外科
2国立病院機構村山医療センター整形外科
3済生会横浜市東部病院整形外科
1Department of Orthopedic Surgery, Tokyo Dental College Ichikawa General Hospital
キーワード:
C5麻痺(C5 palsy)
,
頸椎後方除圧術(posterior decompression)
,
低侵襲手術(minimally invasive surgery)
Keyword:
C5麻痺(C5 palsy)
,
頸椎後方除圧術(posterior decompression)
,
低侵襲手術(minimally invasive surgery)
pp.215-219
発行日 2017年3月25日
Published Date 2017/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002200572
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
C5麻痺は,頸椎症性脊髄症(cervical spondylotic myelopathy:CSM)や頸椎後縦靭帯骨化症(ossification of the posterior longitudinal ligament:OPLL)の術後に発生する上肢麻痺の合併症として広く認識されている.2014年のシステマティックレビューによると,頸椎後方除圧術後の5.8%に発生するとされており,術式別の発生率は片開き式椎弓形成術4.5%,両開き式椎弓形成術3.1%,椎弓切除術11.3%と報告されている3).C5麻痺の発生メカニズムは「神経根障害説」と「脊髄障害説」に大別される.これまでに「神経根の直接損傷説」12),「神経根の後方牽引説」5),「脊髄髄節障害説」10),「脊髄再灌流障害説」2)などが提唱されているが,その原因はいまだ不明である.われわれは,自施設で施行してきた筋温存型選択的後方除圧術(以下,選択的後方除圧術)におけるC5麻痺発生の危険因子を検討した結果,「除圧幅を厳密に調整した椎弓切除術」がC5麻痺予防に有効であることがわかったので,これについて概説する7).
Copyright © 2017, MIWA-SHOTEN Ltd., All rights reserved.