Japanese
English
特集 脊髄血管障害—最新の診断と治療
脊髄辺縁部動静脈瘻に対する外科治療—直達手術の安全性と根治性
Direct Surgical Strategy for Spinal Perimedullary Arteriovenous Fistula
髙見 俊宏
1
,
内藤 堅太郎
1
,
山縣 徹
2
,
大畑 建治
1
Takahiro TAKAMI
1
,
Kentaro NAITO
1
,
Toru YAMAGATA
2
,
Kenji OHATA
1
1大阪市立大学大学院医学研究科脳神経外科
2大阪市立総合医療センター脳神経外科
1Department of Neurosurgery, Osaka City University Graduate School of Medicine
キーワード:
脊髄動静脈奇形(spinal AVM)
,
辺縁部動静脈瘻(perimedullary AVF)
,
直達手術(direct surgery)
Keyword:
脊髄動静脈奇形(spinal AVM)
,
辺縁部動静脈瘻(perimedullary AVF)
,
直達手術(direct surgery)
pp.1087-1092
発行日 2016年12月25日
Published Date 2016/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002200510
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
脊髄動静脈奇形に対する治療では,脳血管障害と同様に血管内治療が徐々に主体となりつつある.しかし,血管内治療においても困難あるいは不完全な治療となる場合が少なからず存在し,直達手術の適応および技術的問題は以前にもまして重要課題である.特に脊髄辺縁部動静脈瘻(spinal perimedullary arteriovenous fistula:SPAVF)では,前あるいは後脊髄動脈からの分枝が流入動脈となっているため,治療選択の判断に難渋することが少なくない.最善の治療選択を行うためには,造影CT血管造影(脊髄CTA)あるいは脊髄血管造影(脊髄DSA)から正確に流入動脈,動静脈シャント(AVシャント)のポイントおよび流出静脈を理解することが最初の関門となる(図1)8).直達手術および血管内治療の安全性および根治性について,診療チーム内で慎重に判断することが必要である1).最終的にどちらの治療を選択しても,脊髄の正常な動静脈環流には影響を与えず,異常血流のみを完全に遮断することが治療ゴールであることに変わりない.本稿では,SPAVFに対する安全かつ根治的直達手術について,当科での取り組みを紹介する.
Copyright © 2016, MIWA-SHOTEN Ltd., All rights reserved.