特集 さまざまな基礎疾患・病態を有する症例に対する脊椎固定術
特集にあたって
花北 順哉
1
1藤枝平成記念病院脊髄脊椎疾患治療センター
pp.519
発行日 2016年5月25日
Published Date 2016/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002200380
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近代の脊椎・脊髄外科を手術手技の観点から捉えてみると,手術用顕微鏡下に行う繊細かつ正確な除圧操作を遂行し得る能力と,各種内固定器具を適切に使いこなせる力量を兼ね備えた者が最も優れた外科医であり,この両者を実施し得る所が最も優れた施設であると思う.このような外科医になるべく,また,このような施設をつくり上げるべく日々努めてはきたが,「いまだ道遠し」の感が強い.
今回の特集では,この要求される2つの課題のうち,後者の脊椎固定術を取り上げた.側弯症を対象に開発された内固定器具による脊柱矯正固定術は,その後,外傷・腫瘍症例のみならず,脊椎変性疾患に対しても順次適応が広げられてきた.今日では脊椎手術の重要な手技となっており,その手術成績もかなりの程度,満足のいくものとなってきている.しかしながら,今回の特集で取り上げたテーマは「いわゆる一筋縄ではいかない」さまざまな病態を有する患者群に対する脊椎固定術である.その背景となる病態としては「透析患者」「骨粗鬆症」「脳性麻痺・Parkinson病」「関節リウマチ」「DISH/ASH」「小児・ダウン症候群」である.
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