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特集 脊椎外傷—捻挫から脊髄損傷まで
第2章 脊椎損傷の診断と治療
頭蓋頸椎移行部の解剖と外傷診療
Anatomy and Trauma Surgery for the Cranio-vertebral Junction
安田 宗義
1
Muneyoshi YASUDA
1
1一宮西病院脳神経外科
1Department of Neurosurgery, Ichinomiyanishi Hospital
キーワード:
頭蓋頸椎移行部(cranio-vertebral junction)
,
外傷外科(trauma surgery)
,
臨床解剖(clinical anatomy)
Keyword:
頭蓋頸椎移行部(cranio-vertebral junction)
,
外傷外科(trauma surgery)
,
臨床解剖(clinical anatomy)
pp.299-309
発行日 2016年4月25日
Published Date 2016/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002200343
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はじめに
ヒトにとっての上位頸椎は全脊椎の中でも特別な意味をもつ.というのも,直立歩行に際して頭部に対する強固な支持性と高い可動性という,まるで正反対の機能を果たさなければならないうえ,多くの重要器官が近接するためコンパクトな構成でなければならないからだ.環椎ならびに軸椎は,実に特異かつ洗練されたデザインをとることで,この難題を見事に解決している.しかし,それはわれわれ臨床外科医にとって新たな挑戦を生む.高エネルギー外傷などでひとたび頭頸部に外力がかかれば,この部位には応力が集中しやすく,損傷をきたしやすい.そして,その画像診断,外科治療には特殊な解剖を踏まえた特有の病態理解を必要とする.本稿では,外傷治療を念頭に置いた上位頸椎の解剖をまとめ,具体的な損傷における診断・治療の基礎を紹介する.
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