Japanese
English
特集 脊椎外傷—捻挫から脊髄損傷まで
第2章 脊椎損傷の診断と治療
超高齢社会を迎えた日本の外傷性脊髄損傷の疫学
Epidemiology of Traumatic Spinal Cord Injury in Japan
加藤 真介
1
,
佐藤 紀
1
,
江西 哲也
1
Shinsuke KATOH
1
,
Nori SATO
1
,
Tetsuya ENISHI
1
1徳島大学病院リハビリテーション部
1Department of Rehabilitation Medicine, Tokushima University Hospital
キーワード:
脊髄損傷(spinal cord injury)
,
疫学(epidemiology)
,
高齢化(elderly)
Keyword:
脊髄損傷(spinal cord injury)
,
疫学(epidemiology)
,
高齢化(elderly)
pp.284-289
発行日 2016年4月25日
Published Date 2016/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002200341
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はじめに
高度経済成長期においては交通事故,労働災害による脊髄損傷が多発していたが,超高齢社会になるに従い発生状況も劇的な変化をみせていることは臨床家の実感であろう.しかし,患者登録システムがなく,また脊髄損傷受傷者が専門施設に集約される医療体制になっていない本邦でこの実態を把握することは容易ではない.日本脊髄障害医学会(JASCoL,旧・日本パラプレジア医学会)では,脊損予防委員会を中心に1990年代初頭に全国疫学調査を行い,その後もさまざまな形で発生状況の把握に努めてきた.本稿では,脊髄損傷発生状況について,まず世界の状況を示したのち,本邦での変化と予防活動を紹介し,これらからみえてくる今後の方向性について考える.
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