Japanese
English
特集 脊椎外傷—捻挫から脊髄損傷まで
第1章 救急
脊椎・脊髄損傷の初期治療
Initial Treatment for Spine and Spinal Cord Injuly
小松 幹
1
,
須田 浩太
1
,
松本 聡子
1
,
牛久 智加良
1
Miki KOMATSU
1
,
Kota SUDA
1
,
Satoko MATSUMOTO
1
,
Chikara USHIKU
1
1北海道中央労災病院せき損センター
1Center for Spinal Disorders and Injuries, Bibai Rosai Hospital
キーワード:
脊椎損傷(spine injury)
,
脊髄損傷(spinal cord injury)
,
初期治療(initial treatment)
Keyword:
脊椎損傷(spine injury)
,
脊髄損傷(spinal cord injury)
,
初期治療(initial treatment)
pp.271-276
発行日 2016年4月25日
Published Date 2016/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002200338
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
脊椎・脊髄損傷の治療目的は,①神経圧迫因子の除去・脊髄二次損傷の予防,②脊椎支持性の獲得,③脊柱変形の遺残防止の3点である.実際には,不安定性と脊髄圧迫の程度を各々評価し,手術治療の要否を迅速かつ適切に判断する必要があり,遅滞なく治療を行い,早期から社会復帰へのリハビリテーションを開始せねばならない10).また,重症麻痺を伴う脊髄損傷では,神経因性膀胱・褥瘡・深部静脈血栓症・呼吸機能障害・肺炎・無気肺・血気胸・イレウス・消化管潰瘍・嚥下障害・精神障害など,多岐にわたる合併症を並行して管理せねばならず,周囲に脊損専門施設があれば手術を含めて依頼することがベストである.脊損専門施設がない場合には,脊椎外科医が常在する救急病院へ依頼するのが望ましい.
Copyright © 2016, MIWA-SHOTEN Ltd., All rights reserved.